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 Part2では、自宅や企業からインターネットに接続するアクセス回線の高速化に焦点を当てる。主要都市では、既に10Gビット/秒の伝送速度を実現するサービスが開始されている。

 各事業者が提供する高速なインターネット接続サービスでは、アクセス回線に光ファイバーを利用する。そこで、まず光ファイバーを使ったインターネットアクセスの仕組みから見ていこう。

収容局と宅内を接続

 一般に光ファイバーを使って自宅からインターネットにアクセスする場合、宅内にONUを設置する(図2-1)。

図2-1●光ファイバーで高速なインターネットアクセスを実現
図2-1●光ファイバーで高速なインターネットアクセスを実現
FTTHの概要。収容局には光伝送装置のOLTが置かれている。そこから局内と局外の光ファイバーを接続するIDMという光配線盤につながる。地下や地上に敷設された光ファイバーを通じて戸建てや集合住宅にデータが届く。集合住宅ではMDFから各階のIDFに光ファイバーが分岐され、各部屋のONUにつながる。
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 ONUは光ファイバーで送られてきた光信号をデジタル信号に変換する装置だ。一方、通信事業者側の収容局にはOLTと呼ばれる装置を設置し、宅内のONUと光ファイバーで接続する。

 収容局のOLTに接続された光ファイバーは、IDMという光配線盤につながる。ここで局内と局外の光ファイバーを接続する。IDMは地下に敷設したケーブルや電柱の架空ケーブルにつながる。

 戸建ての場合、光ファイバーは電柱などに敷かれた架空ケーブルを通り、宅内のONUに接続する。マンションなどの集合住宅では、光ファイバーは建物に設置されたMDFや各階に置かれたIDFといった光配線盤を経由して、各戸のONUに分岐される。