LANケーブルや光ファイバーケーブルはネットワークを構成する重要な要素だ。端末を接続するのに無線LANを使うケースが増えてきたが、LANケーブルもまだ多い。企業ネットワークの幹線部分やデータセンターのラック周辺ではLANケーブルや光ファイバーケーブルの利用が一般的だ。
こうしたケーブルは単にネットワーク機器や端末をつなげればよいというわけではない。正しく扱わないと思わぬトラブルを引き起こす。
起こりがちなループ接続
ケーブルにまつわるトラブルで起こりがちなのが、ループ接続だ。イーサネットフレームがループ状になったケーブルを回り続けて、正常に通信できなくなる「メルトダウン」という現象を引き起こす。
本誌の連載記事「トラブルからの脱出」でもたびたびループ接続によるトラブル事例を取り上げてきた(図1)。一口にループ接続と言っても、その生じ方は様々だ。
ある事例では、社員が自分のパソコンを接続するために勝手にケーブルをスイッチにつないだ。そのケーブルを放置していたら、別の社員が気を利かせてもう一方のプラグをスイッチにつなぎループ接続が生じた。
また別の事例では、ケーブルの両端に付けたラベルの番号が誤っていた。リンクアグリゲーションを設定しているポートにケーブルを挿すべきところを、設定していないポートに挿してしまった。このため、ループ接続ができてしまった。