LANケーブルや光ファイバーケーブルを絡まったスパゲティ状にしたままだと、作業がしづらくなったり、誤って抜いてしまって障害の原因になったりする。そこで、ケーブルを束ねて整える「整線」が重要になる。
締め付けるタイプは非推奨
LANケーブルを束ねる器具は「ケーブルタイ」と呼ばれる。
かつては幅が細くて余長を切断するタイプのケーブルタイがよく使われていた(写真2-1)。「結束バンド」ともいう。10年以上前の本誌の記事でも、整線用に結束バンドを紹介していた。だが、現在では推奨されていない。というのも、LANケーブルを強く締め過ぎるとケーブル内部の構造物を壊したり、心線のよりを潰したりする恐れがあるからだ。こうなるとLANケーブルの特性(インピーダンス)が変化し、信号の減衰が大きくなって通信に支障が出る。
広い面積で圧力を分散
近年ケーブルタイとして推奨されているのは「面ファスナー」と呼ばれる製品だ(写真2-2)。「マジックテープ」「ベルクロ」といった商標で呼ばれることもある。幅が広く単位面積当たりの力が少なくてもしっかりと束ねられるので、LANケーブルを潰すことがない。面ファスナーも100均ショップで購入できる(写真2-3)。
LANケーブルを束ねた後に固定する器具もある。ここでは2種類紹介しよう。
1つは、片面は面ファスナーで、もう片面は粘着テープになっているもの(写真2-4(1))。粘着テープ側をラックなどに貼り付けて使う。もう1つは、ラックなどにねじ止めするタイプ(同(2))。面ファスナーを通す穴が開いており、LANケーブルを束ねる面ファスナーと併用する形となる。