日本のDC業界は今、新設のラッシュを迎えている。東京エリアと大阪エリアを中心に、各所でDCの建設が進んでいる。
東京ドーム20個分の増加
米エクイニクスは2021年3月、東京エリアで12番目となる「TY12x」を千葉県印西市に開設した(図3-1(a))。段階的な拡張を計画しており、最終的には約1万7300m2のコロケーションスペースと最大54MWのIT電力(IT機器への供給電力)を提供する予定だ。
エクイニクスのようなDC専業以外にも、KDDI(同(b))やNTTコミュニケーションズ(同(c))、英コルトグループのColtデータセンターサービス(同(d))など、通信系の事業者なども次々とDCを新設している。調査会社のIDC Japanによると、ITベンダーやITサービス事業者、通信事業者、クラウドサービス事業者などが国内に所有または賃借しているDCの建物の延べ床面積の合計は2020年末時点で245万7600m2だったが、2025年には約1.4倍の339万8000m2に増加する見通しだ。東京ドーム(4万6755m2)20個の面積に相当するDCが新設されることになる。
2019年以降様々な事業者がDCを新設。今後も次々と新設される予定だ(表3-1)。日本のDC市場はもともと、エクイニクスやコルトグループを除くと国内の事業者が中心だったが、近年ではオーストラリアのエアトランクやデジタル・リアルティ・トラストといった海外勢の新規参入が相次いでいる。