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 DCのコロケーションサービスでは、DC事業者がユーザー企業から預かっている機器の監視や障害対応などの一部を請け負うケースが多い。「オペレーター」などと呼ばれるエンジニアが24時間365日常駐し、運用手順書に基づいて機器のLEDランプを定期的に確認したり、必要に応じてリセットボタンを押したりする。

 さらにDCでは、DC事業者が保有するネットワーク機器や空調設備、電源などの電気設備などを保守・運用する人員も必要だ。特に外資系のDCでは、エンジニアに英語のスキルも求められることが多い。大規模DCの新設ラッシュが相次ぐ中で、「エンジニアの奪い合いになっている」(あるDC事業者)といった声もある。

集中管理や自動化で運用効率化

 こうした人手不足への対応や運用コストの削減に向けて、ほとんどのDCでは運用を効率化する取り組みを進めている。複数のDCを保有する事業者では、各DCの稼働状況を集中管理するのが一般的だ。SCSKでは、エンジニアの運用業務のシステム化にも取り組んでいる。例えば、機器の稼働状況を監視する機能などを備える独自システムを構築。異常を検知すると、担当者にメールや電話で自動通知する仕組みを整備した。

 IIJでは、2019年に千葉県白井市で開所した「白井データセンターキャンパス」において、申請処理およびITシステムの運用管理などを自動化するツールや、警備ロボットを業務に適用する検証を進めている(図6-1)。入館申請の処理や障害発生時の復旧対応、DC内の定期巡回、来訪者のアテンドなどを自動化することで、現場の負担を軽減する。

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図6-1●IIJが白井データセンターキャンパスで進める運用効率化の取り組み
図6-1●IIJが白井データセンターキャンパスで進める運用効率化の取り組み
将来的な人手不足などを見越して、ツールやロボットによる運用の自動化などを検証している。(出所:IIJの資料に基づき作成)
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 2019年から2020年にかけて実施した検証では、開所当初に比べて業務全体の8%を削減できたという(2020年12月時点)。このうち7%はツールによる申請処理の業務、残りの1%は警備ロボによる巡回/アテンド業務の削減という内訳だ。今後も適用範囲の拡大や適用方法の改善を続けた上で、他のDCにも展開していく考えという。