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IPアドレスにはインターネットで使える「グローバルIPアドレス▼」と、企業や家庭などのLANで自由に使える「プライベートIPアドレス▼」の主に2種類がある(図2-1)。
グローバルIPアドレスはICANN▼を中心とする複数の組織が管理するIPアドレスである。インターネットで使えるように、世界中で一意性が担保され、異なる組織に同じグローバルIPアドレスが割り当てられることはない。
一方、プライベートIPアドレスは組織ごとに自由に使えるアドレスだ。インターネットに直接アクセスしないLANで使う。
プライベートIPアドレスとして使える範囲は決められている。「10.0.0.0~10.255.255.255」「172.16.0.0~172.31.255.255」「192.168.0.0~192.168.255.255」である。どれを使うかは、IPアドレスを割り当てるホスト数で決める。同一ネットワークでなければ重複しても構わない。
つまりグローバルIPアドレスと異なり、世界中でいくつも同じプライベートIPアドレスが使われている。
グローバルIPアドレスに変換
プライベートIPアドレスが割り当てられた機器はインターネットにアクセスできない。インターネット上の相手と通信するにはグローバルIPアドレスが必要だからだ。
そこでNAT▼という機能を使う(図2-2)。NATは一般にルーターやファイアウオールといったネットワーク機器が備える機能で、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを相互に変換する。