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 新型コロナウイルス感染症の拡大で、多くの企業がテレワークを導入した。テレワークの際に広く使われているコミュニケーションツールがビデオ会議サービスである。在宅時や遠隔地からでも会議に参加できる便利なツールではあるが、セキュリティーや品質などで新たな課題も生じている。そこで今回は、ビデオ会議システムを活用する上でのポイントを説明する。

多要素認証が不可欠

 代表的なビデオ会議サービスとしては、米シスコシステムズの「Webex」や米ズームビデオコミュニケーションズの「Zoom」、米マイクロソフトの「Teams」が挙げられる。

 こうしたサービスの急速な普及に伴い、主に4つの課題が表面化している。アカウント管理、通信の暗号化、会議トラフィックの経路や流量、会議の運用ポリシーだ(図1)。これらについて、順に解説していこう。

図1●クラウド型ビデオ会議サービスの注意点
図1●クラウド型ビデオ会議サービスの注意点
企業でビデオ会議サービスを利用する場合、安全性と品質を担保しなければならない。そのためにはアカウント管理、通信の暗号化、会議のトラフィック、会議の運用ポリシーを考慮する必要がある。
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 最初のアカウント管理は、クラウドサービスの利用について回る課題といえる。クラウドサービスの利用が拡大しているので、ビデオ会議サービスを含む各クラウドサービスで共通のIDやパスワードを設定しているケースは多いだろう。

 しかしこうした共通のIDやパスワードが流出してしまうと、主催した会議の内容や参加者のIDなどが流出する危険性がある。安全にサービスを利用するには、パスワードとは別の認証方式を加えて、2要素認証または多要素認証にすべきだ。