
IPv4アドレスがほぼ枯渇し、本格的なIPv6の導入が始まってから久しい。IPv6の基本的な仕様が作られたのは20年以上前になるが、IPv6を取り巻く環境は激しく変化しており、それに伴って新たな技術も登場している。基本的な仕組みに加え、OSの対応状況、企業導入のポイント、最新技術SRv6など、IPv6の「新常識」を紹介する。
7つのクエスチョンで理解する
IPv4アドレスがほぼ枯渇し、本格的なIPv6の導入が始まってから久しい。IPv6の基本的な仕様が作られたのは20年以上前になるが、IPv6を取り巻く環境は激しく変化しており、それに伴って新たな技術も登場している。基本的な仕組みに加え、OSの対応状況、企業導入のポイント、最新技術SRv6など、IPv6の「新常識」を紹介する。
Q1
インターネットで使用するプロトコルとして生まれたIPv4。その次世代規格としてIPv6は開発された。基本的な機能はIPv4とIPv6で変わりはないので、一般のユーザーはIPv6を使っていても気づかないだろうが実は着々と普及している。
Q2
IPv6はIPv4で明らかになった課題を解決するために開発された。ここではIPv4とIPv6の主な違いを解説する。
Q3
通信速度は主にレイヤー1(物理層)やレイヤー2(データリンク層)で決まる。普通に考えるとレイヤー3(ネットワーク層)のプロトコルであるIPの違いは通信速度に影響しなさそうだ。ところが実際にはIPv6を使ったほうが速くなるケースがある。これは、国内の光回線を使ったインターネットの接続方式に特有の事情…
Q4
IPv6では管理者の手間をなるべく減らすため、アドレス割り当ての自動化を仕様に取り込んだ。その際には、DHCPサーバーのようなアプリケーションレイヤーの装置を使わず、ネットワークレイヤー(レイヤー3)のルーターだけでアドレスを設定できるのが理想とされた。その結果、IPv6では「SLAAC」というア…
Q5
Q1で新しい端末は基本的にIPv6に対応していると説明したが、実はどの仕様に対応しているかを細かく見ていくと異なる点が多い。東京工業大学 学術国際情報センター 准教授の北口 善明氏らのグループはクライアントOSのIPv6に関する実装状況を検証した。その結果に基づき、IPv6アドレスの割り当て方法を…
Q6
企業ネットワークのIPv6対応はあまり進んでいない。だが、いずれはIPv6への対応が求められるだろう。いち早く社内にIPv6を導入したインターネットイニシアティブ(IIJ)の例を中心に、企業導入のポイントを解説する。
Q7
5G(第5世代移動通信システム)などのネットワークで期待されているIPv6の新技術が「SRv6」だ。「セグメントルーティング(SR)」という従来とはまったく異なるルーティングを実現する。