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 通信速度は主にレイヤー1(物理層)やレイヤー2(データリンク層)で決まる。普通に考えるとレイヤー3(ネットワーク層)のプロトコルであるIPの違いは通信速度に影響しなさそうだ。ところが実際にはIPv6を使ったほうが速くなるケースがある。これは、国内の光回線を使ったインターネットの接続方式に特有の事情に起因している。

NGNとISPの境にボトルネック

 現在のインターネット接続で主流なのは、光ファイバーを使った高速ブロードバンドサービス、いわゆる「光インターネット」である。

 まずは光インターネットのインフラの構成要素を概観しよう(図3-1)。ユーザーの自宅と収容局は光ファイバーでつながっている。そのトラフィックを集約するのがアクセスネットワークである。NTT東日本やNTT西日本のNGNが代表例だ。このほかKDDIやソニーネットワークコミュニケーションズ、CATV事業者などが自社でアクセスネットワークを整備している。

図3-1●「光インターネット」のインフラ構成
図3-1●「光インターネット」のインフラ構成
FTTH(Fiber To The Home)によるインターネット接続サービスは「光インターネット」と呼ばれる。アクセスネットワークとコアネットワークを接続装置でつなぐ構成になっている。
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 アクセスネットワークのトラフィックはさらにISPやVNEのコアネットワークで集約される。VNEはISPにIPv6のインターネット接続回線を卸販売する通信事業者である