複数の機器が同時に通信できる
リピーターハブに代わって使われるようになったのがスイッチだ。宛先ごとにデータの送り先を切り替える(PICT2)。宛先以外のポートにはフレームが流れないので、別々のポートで同時にフレームを受信できる。つまり複数の機器が同時に通信でき、機器の数が増えても通信速度が低下しにくい。
ポート番号とそのポートにつながる機器のMACアドレスをひも付けた対応表(MACアドレステーブル)を基に、フレームの宛先MACアドレスを参照して送り先を切り替える。受け取ったフレームをいったんバッファーに格納した後、受信した順番に宛先を確認して、該当の機器がつながるポートに送る。
ここまでリピーターハブと対比する意味で、レイヤー2(L2)スイッチについて説明してきた。L2スイッチは、スイッチの中でも安価に入手できることから、リピーターハブに置き換わる形で広く使用されている。
L2よりも上位の層の情報を扱うスイッチもある。レイヤー3(L3)スイッチは、MACアドレスだけでなくネットワーク層のIP(Internet Protocol)の情報も利用する機器だ。MACアドレステーブルに加えて、ネットワークの経路情報やARP(Address Resolution Protocol)情報を基に、パケットの宛先IPアドレスを参照して送るポートを切り替える。L2スイッチよりも高機能だが、設定が複雑で値段が高いことから、主に大規模なネットワークで使われている。
トランスポート層(レイヤー4:L4)のTCP(Transmission Control Protocol)やUDP(User Datagram Protocol)のポート番号を参照するL4スイッチや、アプリケーション層の情報を参照するレイヤー7(L7)スイッチもある。