イーサネットは、パソコンやネットワーク機器などの機器同士が、データをやりとりするときに利用する通信プロトコルである。有線LANで広く使われている。
データを決まった長さに分割し、ヘッダーなどを追加した“固まり”で送る。この固まりをイーサネットフレームと呼ぶ。
インターネットでやりとりされるIP(Internet Protocol)パケットは、企業などの有線LANではイーサネットフレームで運ばれる。
宛先はMACアドレスで指定する
イーサネットでは、宛先をMACアドレスで指定する。MACアドレスはベンダーが各機器に一意に割り当てるアドレスである。
MACアドレスは48ビット長で、16進数を2桁ずつ区切って「00-00-5E-00-53-FF」のように表記する。MACアドレスの前半をOUI(Organizationally Unique Identifier)と呼び、機器のベンダーを表す。例えば「00-00-0C」は米シスコシステムズを示す。
送信元から送り出されたイーサネットフレームは、同じネットワーク内のすべての機器に届けられる(PICT1)。だが、宛先に指定された機器だけがそのフレームを受け取る。ほかの機器は受け取らずに破棄する。
このような仕組みのため、イーサネットではネットワークが混雑しやすい。そこで混雑を緩和するために、スイッチと呼ばれるネットワーク機器を使う。スイッチはケーブルを分岐したり、集約したりする装置。フレームの宛先を見て送信するポートを制御する。
イーサネットではすべての機器にデータを送るための特殊なMACアドレスを用意している。これをブロードキャストアドレスという。
ブロードキャストアドレスは「FF-FF-FF-FF-FF-FF」と決められている。すべての機器はブロードキャストアドレスが宛先に指定されたイーサネットフレームが届くと、そのフレームを受け取る。
ブロードキャストアドレスは、IPアドレスなどのネットワーク情報を動的に割り当てるDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)や、ネットワーク内の機器にMACアドレスを問い合わせるARP(Address Resolution Protocol)の通信に利用される。