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 Wi-Fi Allianceは、無線LAN製品の普及促進を図る業界団体である。その一環として、無線LAN製品の相互接続性を確保するための認定試験を実施している。

 「Wi-Fi」という用語は無線LANと同義語として使われがちだが、本来はWi-Fi Allianceが定めた認定試験を合格した無線LAN製品だけが使える用語だ。また、「Wi-Fi CERTIFIED」というロゴを付けることを許される。このロゴがあれば、Wi-Fi Allianceの認定試験をパスした製品だと分かる。

相互接続性の「基準」を提供

 無線LAN規格は1997年に登場した。初期の無線LAN機器の場合、アクセスポイント(親機)とクライアント(子機)が同じベンダーの製品でないと接続できないことがあった。

 IEEE(米電気電子学会)が策定した無線LANの規格には、解釈の余地がある曖昧な記述があったためだ。また、策定中の仕様で製品化されることも原因だった。

 解釈の余地があると、その部分は各ベンダーの裁量で実装してしまう。これにより、うまくつながらないことがあった。地域によって言葉の意味が違うと誤解されるのと同じだ(PICT1)。

PICT1●解釈の違いでつながらないことがあった
PICT1●解釈の違いでつながらないことがあった
(イラスト:なかがわ みさこ)
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 異なるベンダーの製品が接続できないようでは、利用者は安心して無線LANを導入できない。そこで1999年に、無線LAN関連製品を製造・販売する企業6社がWi-Fi Allianceの前身となるWECA(Wireless Ethernet Compatibility Alliance)を設立。WECAは相互接続試験などの準備を進め、2000年から認定を開始した。