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 ポート番号は、TCP(Transmission Control Protocol)やUDP(User Datagram Protocol)といったトランスポート層のプロトコルで使われる番号です。

 インターネットの通信で使われるIPアドレスは、いわば建物の住所を表します。これに対しポートは、建物の出入り口に相当します。それぞれのポートには固有の番号が割り振られています。これがポート番号です。番号ごとに役割が決まっています。(PICT1)。

PICT1●プロトコルごとに固有のポート番号が使われる
PICT1●プロトコルごとに固有のポート番号が使われる
(イラスト:なかがわ みさこ)
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 ここでいう役割とは、TCPやUDPの上で通信を行うプロトコルを指します。プロトコルごとに、決まった番号のポートを使うことになっています。これにより、どんなプロトコルで通信しているかを、TCPやUDPのレベルで区別できます。

 ポート番号で有名なのは80番でしょう。80番ポートは、WebブラウザーとWebサーバーとの間で通信するHTTP(HyperText Transfer Protocol)で使われます。プロキシーサーバーを介したHTTP通信などでは、8080番を使うこともあります。

 ただ、最近は常時TLS(Transport Layer Security)化の流れにより、暗号通信であるHTTPS(HyperText Transfer Protocol Secure)のほうがよく使われるようになりました。HTTPSでは443番ポートを使います。

 他にも様々なポートが使われています。例えば、リモートアクセスを行うTelnetは23番ポート、メールを送信するSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は25番ポート、メールを受信するPOP3(Post Office Protocol 3)は110番ポート、名前解決を行うDNS(Domain Name System)は53番ポートをそれぞれ使います。

 ポート番号の中で特によく使われる0番から1023番までをウェルノウンポート番号と呼び、1024番以降を登録済みポート番号と呼びます。多くのポート番号はIANA(Internet Assigned Numbers Authority、インターネットで使われる番号を管理する組織)に登録されていますが、IANAに登録されていない非公式のポート番号も存在します。

 なお、0番ポートはエニーポートと呼ばれる特殊なポートです。アプリケーションに対して別番号の空きポートを動的に割り当てるときに一時的に使います。