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 Part3ではWebの最新動向を取り上げる。まず、標準仕様の動向について解説しよう。

 2021年1月28日、W3Cが策定していたHTML5が廃止され、HTMLの標準仕様はWHATWGが管理する「HTML Living Standard」になった(図3-1)。「HTMLといえばW3C」と長らく認識されてきたので、驚いた人は少なくないだろう。

図3-1●HTML仕様策定の歴史
図3-1●HTML仕様策定の歴史
HTMLは1989年にティム・バーナーズ=リー氏が発明して以降、仕様策定の場をIETFやW3Cといった標準化団体に移した。そして2021年1月、W3Cが策定していたHTML5が廃止され、HTMLの標準仕様はWHATWGが管理する「HTML Living Standard」になった。
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 WHATWGはアップル、モジラ・ファウンデーション、ノルウェーのオペラソフトウエアが2004年に設立した団体だ。当時、W3CがWeb開発者のニーズを無視してXML/XHTMLを推進している状況を懸念し設立された。

 HTMLは1989年にティム・バーナーズ=リー氏が発明して以降、仕様策定の場をIETFやW3Cといった標準化団体に移した。HTML 1.0は1993年、HTML 2.0は1995年にIETFが標準化した。その後W3Cに移管され、1997年にHTML 3.2およびHTML 4.0が標準化された。

 だがHTML5(HTML 5.0)になると、WHATWGが策定した仕様をW3Cが勧告する形で発表された。その後、W3CとWHATWGがそれぞれ、独自のHTML標準仕様の策定を進めるという状態になった。

 ただWebブラウザーの多くは、W3CではなくWHATWGを標準仕様とした。そこでW3Cは2021年1月、それまで発表したHTMLのすべての仕様を廃止し、HTML標準仕様はWHATWGが開発することになった。

 HTML標準仕様は、HTML 1.0からHTML 5.0までバージョン番号を増やしてきたが、最新仕様であるWHATWGのHTML Living Standardではバージョン番号が廃止された。今後は「Living Standard」という名前の通り、名称を変えることなく仕様が都度更新および公開される。