インターネットと社内ネットワークの境界に置くネットワーク機器として、主にルーターやUTM▼/ファイアウオールがある。それぞれの調査結果について見ていこう。
ルーターではヤマハが1位の座を奪還(図11)、根強い人気を見せつけた。2位のシスコシステムズとの競り合いはしばらく続きそうだ。3位以下には前回と同じようにNEC、バッファロー、富士通、アライドテレシスが並ぶ。
企業規模別で見ると、ヤマハは1~500台の規模で首位を獲得(図12)。シスコシステムズは501台以上の規模で1位だった。ここでもシスコシステムズが大企業に強い結果になっている。
境界防御製品の導入率は低下
アンケートでは境界防御のために設置しているセキュリティー製品についても尋ねた(図13)。「UTMまたは次世代ファイアウオール」を導入しているという回答が最も多く41.4%。前回調査の53.5%から大きく落とした。
次は27.7%で「Webゲートウエイ」だった。Webアクセス時にマルウエア(ウイルス)や不正攻撃を検知するプロキシーなども含まれる。Webゲートウエイも昨年から落とし、27.7%となった。
仮想環境を利用して不正なプログラムかどうかを安全に検査するサンドボックス型製品を導入しているのは5.9%だった。
気になるのは、境界防御のためのセキュリティー機器を導入していないと回答した23%。前回と比較し僅かに減らした。後述するゼロトラストの導入に伴う低下であればよいが、どちらも入れていないというのはあまりに危険だ。
では境界防御製品を導入している企業はどのベンダーの製品を使っているのだろうか。UTM/ファイアウオールベンダーの順位は米フォーティネットが前回に続き首位を維持した(図14)。シェアは45.2%。前回の38.2%から7ポイントの増加となった。
企業規模別に見ると、1~1000台以下のクライアントを接続している企業ではフォーティネットが1位(図15)。ただし1001台以上では米パロアルトネットワークスがフォーティネットを上回り、前回同様の結果となった。