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電力は抵抗の大きさで決める

 PoEの給電機器と受電機器はネゴシエーション(交渉)によって、適切な大きさの電力を供給する仕組みになっている。具体的には、次のような手順を踏む(図1-3)。

図1-3●供給する電力の大きさを決める手順
図1-3●供給する電力の大きさを決める手順
受電機器(PD)は最初、25kΩの抵抗を用意しておき、給電機器(PSE)はそれに対応した電流を検知するとPDがつながっていると認識する(1)。続いて、PSEはより強い電圧を加える。PDは、所望のクラスに対応した抵抗に差し替える。PSEは電流の値を見て対応するクラスを判断(2)。最終的にPSEはPDに対し、そのクラスで規定された電力を供給する(3)。
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 まず給電機器は、ポートに挿し込まれたLANケーブルの先にPoE対応の受電機器がつながっているかどうかを確認する。これは「検知(Detection)」と呼ばれる作業だ。

 給電機器(PSE)は、受電機器(PD)がつながっているか検知するため、2.7~10.1Vという比較的小さい電圧をより対線に加える(図1-4)。受電機器は初期状態では25kΩの抵抗を用意しておくことが決められている。給電機器は、流れた電流と加えた電圧から受電機器の抵抗値を測定。25kΩだったら受電機器だと判断する。もし電流が流れなければ、PoE対応の受電機器はつながっていないと判断して電力は送らない。

図1-4●PSEが加える電圧の推移のイメージ
図1-4●PSEが加える電圧の推移のイメージ
米シスコシステムズや米テキサス・インスツルメンツなどの資料を参考に本誌作成。クラス分類のために加える電圧の回数は、クラスごとに異なる。
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 次のステップでは、給電機器は受電機器がどのクラスに対応しているのかを調べる。つまり、受電機器が要求する最大電力を確認する。この作業は「クラス分類(Classification)」と呼ばれる。