ネットワーク監視とは、ネットワークが正常に稼働しているかどうかを確認することである。業務に使うクラウドサービス、メールや業務アプリケーションを動かすサーバーにはネットワークを介してアクセスする。もしネットワークに異常が生じれば、サービスや機器にアクセスができなくなり、業務に影響が出てしまう。ネットワーク監視はそうした障害の検知はもちろん、通常時との変化を見ることでトラブルの原因をいち早く特定できるようにする。
監視しないと原因特定が難しい
例えばユーザーがサーバーとの通信に時間がかかって業務に影響が出たとする(図1-1)。
もしネットワーク監視をしていなければ、ネットワークの管理者は広い範囲から原因がどこにあるのか探さなければならない。サーバーは動いているのか、経路上のネットワーク機器の負荷は高くないか、設定は変わっていないか、ケーブルは断線していないかなど、順番に見ていくしかない。監視していないと原因をすぐに特定できず、トラブルの解消に時間がかかる。
「死活」「経路」「状態」を見る
そうした事態を避けるために、ネットワーク監視では様々な方法でネットワークを監視する。監視方法は、(1)死活監視、(2)経路監視、(3)状態監視の3つに分類できる(図1-2)。
(1)死活監視とは、対象の機器が稼働しているかどうかを監視することである。監視用端末から監視対象のサーバーに稼働しているかを問い合わせて、その応答を見る。「おーい」と声をかけて、「はーい」と声が返ってくるのを確認するイメージだ。応答が返ってくれば稼働していると分かり、対象の機器との経路が存在すること(疎通)も分かる。
(2)経路監視は対象の機器までの経路が適切か、通信が遅くないかなどを監視することである。ネットワーク機器の設定が変わったり、ケーブルが断線したりすることで想定外の経路で通信することがある。またネットワーク機器の負荷が高くなったり、ネットワークが混雑したりして通信に時間がかかることがある。こうした事態を監視する。
(3)状態監視は対象の機器の負荷やイーサネットポートの稼働状況など、状態を監視することである。例えば対象の機器にCPUの負荷を問い合わせて、その値を記録しておく。