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 -57dBmと-62dBmをしきい値にしたヒートマップも作成し、-65dBmのヒートマップと比較した(図8)。-62dBmのヒートマップはやや狭くなった程度だったが、-57dBmのヒートマップでは到達距離が半分近くに縮んだ。

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図8●1024QAMと256QAMが使える範囲
図8●1024QAMと256QAMが使える範囲
今回利用したAPで1024QAMと256QAMのそれぞれの変調方式を使える電波条件を満たすヒートマップを示した。Wi-Fi 6で最大伝送速度を出すのに必要な1024QAMを使える範囲は狭い。256QAMは11acの最大伝送速度に必要な変調方式。
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設計はこれまで通りで十分

 ただこの結果から、APの密度を高めたほうがよいという結論にはならない。

 無線LANでは、AP同士の電波干渉によってスループットが大きく低下するからだ。APの配置は-65dBmのヒートマップで考える。もしできるだけ高い伝送速度で通信したい端末がある場合は、APに近い場所でその端末を使うように運用するしかない。

▼上から3番目に設定した
APのほうが端末よりアンテナの能力が高いため、APの出力を最大に設定すると、APから端末への電波が届くが、端末からAPへの電波が届かないといった状況が発生するからだ。
▼dBm
電波強度を示す単位。dBは音の強さや電力の減衰などを表し、ある量(A)と基準となる量(B)としたとき、L(dB)=10logB/Aとなる。ここで基準となる量(B)を1ミリWとし、電力の絶対値で表したものがdBmである。大きければ大きいほど、電波が強いと言える。
▼よく使われる
インテグレーターによっては別のしきい値を用いる場合がある。
▼最大伝送速度を出すための条件
最大伝送速度は理論値なので、後述する条件を満たしても実際にはその速度は出ない。