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 Wi-Fi 6を利用するには、APと端末の両方がWi-Fi 6に対応している必要がある。どちらか一方が非対応なら、Wi-Fi 6を利用できない。

 では、Wi-Fi 6に対応した端末が全くない、もしくは少ない状況で、APだけを先行してWi-Fi 6対応製品を導入する意味はあるだろうか。スマホの無線LANは2020年以降、Wi-Fi 6が主流になるだろう。ノートパソコンの無線LANもいずれWi-Fi 6対応になるはずだ。これからAPを導入する場合、価格が手ごろな802.11acを選ぶか、最新のWi-Fi 6を選ぶか悩ましい状況になっている。

 そこで今度の実験は、802.11acの端末しかない状態から、802.11acの端末がWi-Fi 6の端末に徐々に切り替わっていったとき、スループットの合計がどのように変化するかを測定した。

 802.11acとWi-Fi 6の端末の混在環境において互いに悪影響を及ぼさないのであれば、Wi-Fi 6に対応したAPを先行して導入する選択も考えられるだろう。

 実験では、802.11ac対応の端末として米アップルのスマホ「iPhone 7」を3台と、Wi-Fi 6対応の端末としてGalaxy S10を3台用意した。

スマホを切り替えると速くなる

 最初に、3台のiPhone 7を使ってスループットを測定した。3台のスループットの合計は約250Mビット/秒だった(図14)。

図14●Wi-Fi 6と11acの端末が混在したときの合計スループット
図14●Wi-Fi 6と11acの端末が混在したときの合計スループット
Wi-Fi 6対応のAPを導入した環境で、3台の端末がIEEE 802.11acからWi-Fi 6に徐々に切り替わっていくときを想定してスループットの合計を測定した。
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 次に1台のiPhone 7をオフにして、代わりにGalaxy S10を1台追加して測定した。その結果、スループットの合計は360Mビット/秒になり、約1.4倍に向上した。1台がWi-Fi 6に切り替わるだけで、100Mビット/秒以上も速くなる。

 さらにもう1台のiPhone 7をGalaxy S10と入れ替えると約560Mビット/秒になった。1台のときと比べて、約160Mビット/秒も速くなった。

3台でスループットは2.8倍に

 最後に、3台ともWi-Fi 6に対応したGalaxy S10に替えるとスループットの合計は700Mビット/秒を超えた。802.11acに対応したiPhone 7だけの環境と比べると約2.8倍になった。

 この実験から、Wi-Fi 6に対応した端末と古い規格の端末を混在させても互いに影響を及ぼすことはなさそうだ。もしAPをリプレースする機会があれば、Wi-Fi 6に対応したAPの導入を検討してもよいだろう。