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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 ToF(Time of Flight)方式の距離画像センサ(以下、ToFセンサ)の研究開発が盛んである。「圧倒的な勝者がおらず、どの企業・団体にも主導権を握るチャンスがあるから」(複数の技術者や研究者)だ。実際、2022年6月開催の半導体の国際会議「2022 IEEE Symposium on VLSI Technology & Circuits(VLSIシンポジウム)」では、ToFセンサに関する研究成果の発表が相次いだ。以前であれば、「イメージセンサのセッションに含まれていた」(複数の参加者)が、今回はToFセンサが主体のセッションがイメージセンサのセッションとは別に2つ設けられた。ToFには「direct ToF(直接ToF)」と「indirect ToF(間接ToF)」の大きく2つの方式があるが、それぞれが主体となるセッションが1つずつだった。

 このうち、注目を集めたのが、凸版印刷とブルックマンテクノロジ(静岡・浜松)、静岡大学のグループが開発したToFセンサである(図1)。比較的長い測定距離と多い画素数を両立した点が特徴だ。ロボットやドローンなどに向ける。