大手産業用ロボットメーカーのデンソーが自社製アームを応用し、農業分野に進出しようとしている。農業に従事する人口が減ってきており人手不足が深刻なことから、農作業を支援するロボットのニーズが増えると判断。5年ほど前から新規事業の1つとして検討を進めてきた注1)。
デンソーが最初に着目したのが、ミニトマトだ。ミニトマトの市場は毎年数%成長しており、今後も拡大が見込めるとみた。手始めに三重県でトマトの生産などを手掛ける浅井農園と合弁会社を設立。同県いなべ市に農業用ハウスを設け、ロボットの実証を進めている。ロボットに限らず、自動車分野でデンソーが培ってきた各種の制御技術、自動化技術を農業分野にいかに適用するかを探っていく。