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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 “ロボットブーム”とは言われるものの、産業の現場では、過酷で危険な作業にいまだ生身の人間が従事していることは多くある。複雑な認識や込み入った判断が必要な作業では、たとえ危険を伴う作業であっても現在のロボット技術ではまだ自動化できず、人が作業に当たらざるを得ないことがままある。

 そうした現場に向け、必ずしも完全自動化にこだわらずに「ロボット化・機械化」を目指そうとする動きが、産業用ロボットアームの領域で出てきた。

 人間が“パイロット”となって安全な場所から対象を目視し、ロボットをリアルタイムに操縦。人間の高度な認識能力を併用することで複雑な作業を達成する「操縦型ロボットアーム」である。いわばリモコン型のアームだ。

 操縦型のロボットアームは、原発の廃炉作業や宇宙空間での作業などでは既に使われている。しかし、操縦型のロボットアームが必要なのは、そうした特殊でニッチな「極限環境」に限らない。企業内で日々行われている作業にも、人間にとって過酷なタスクは多くある。これまでの技術を前提にするとロボット化・機械化が難しく、長らく見過ごされてきた現場に向けて、新しい切り口でロボットを導入していこうとの動きが出てきたのである。

図1 操縦型システムを本格導入した西神戸工場
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図1 操縦型システムを本格導入した西神戸工場
川崎重工業の西神戸工場にあるロボット向けの生産ラインに、操縦型ロボットシステムを本格導入した。(写真:川崎重工業)

 大手産業用ロボットメーカーの中で、こうした操縦型ロボットアームに積極的に取り組んでいるのが、川崎重工業である(図1)。協働ロボットのような領域については、ここ数年で大半の大手ロボットメーカーが製品を投入するようになったが、この操縦型アームは産業用ロボットの領域ではまだそれほど注力する企業は多くなく、これからの新領域だ。川崎重工は珍しい存在と言えるだろう。

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