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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 ToF(Time of Flight)方式の距離画像センサ(以下、ToFセンサ)でソニーが攻めの姿勢を見せている。「世界最高水準」をうたう性能を達成した2つの研究成果を、2020年12月開催の半導体素子や半導体製造に関する国際学会「66th International Electron Devices Meeting(IEDM 2020)」で披露した。ともに近い将来の製品化を目指している。

 ソニーはCMOSイメージセンサ(CIS)の売上高シェアで首位だが、ToFセンサの受光素子では後発である。間接方式(インダイレクトToF、iToF)センサの技術を有するベルギーSoftkinetic Systems社を2015年に買収したことを契機に、本格的にToFセンサの事業化に乗り出した。同社の技術を基に、ソニーが得意とする画素部と回路部を積層した裏面照射型に仕立てて、2017年に製品化。例えば、独BMW社の運転席周辺機器のジェスチャー操作向けに採用された。