自動運転技術の開発において、多くの企業が参戦する「群雄割拠」の状況から数社へと集約する流れになりつつある。それに呼応するように、多数の企業がひしめくLIDAR業界でも有力企業の数が徐々に絞られてきた。中でも、2021年に入ってから大手企業による有力新興LIDAR企業の買収や提携が相次ぎ、メカレスLIDARの量産が本格的に始まりつつある。
例えば大手車載機器メーカーのドイツContinental社が、「メカレス」や「ソリッドステート」と呼ばれるような機構(メカ)部品のないLIDAR技術を新興企業から積極的に取り込んでいる。その結果、短距離から長距離までをカバーできるような製品ラインアップを整えつつある(図1)。
Continental社は米Advanced Scientific Concepts社からLIDAR事業を2016年に買収。同社の技術を基にして、フラッシュ方式のメカレスLIDAR「HFL110」を製品化し、2021年に量産を始めた。車載グレードのメカレスLIDARとして「市場に投入したのは業界初」(Continental社)と位置付けている。短距離向けで、反射率10%で20mまで測距可能とする。周辺監視用センサとして、トヨタ自動車が発売した新型「レクサスLS」に採用された。