ドローン配送を手掛ける米Zipline International社の勢いが止まらない。同社は、2016年のルワンダを皮切りに、アフリカで輸血用血液パックなどの緊急性が高い医療物資を独自の機体を使い、オンデマンドで配送してきた。2019年にはガーナで同様のサービスを始めた。本誌2020年11月号で取り上げたように、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大によって、人と接する機会を減らせるドローン配送への需要が増大したことで同社は実績を伸ばしている1)。その傾向は現在も続き、配達回数は2021年5月時点で累計12万7000回を超えた。総飛行距離は800万マイル(約1290万km)に達する。それでも、深刻な事故は発生していないと胸を張る。
そんな勢いに乗るZipline社は2021年5月、オンラインで開催されたドローン関連のイベント「AUVSI XPONENTIAL」で、同社の現状やサービス運用の舞台裏を明かした。登壇したのは、グローバル航空政策担当ディレクターのHarrison Wolf氏である。