ソニー系のドローンベンチャーのエアロセンスは、50kmもの長距離を飛行できる垂直離着陸型(VTOL:vertical take-off and landing)の固定翼ドローン「AS-VT01」を発売する(図1)。
水平飛行時は飛行機のように固定翼の揚力で飛ぶが、離着陸時はマルチコプター型のドローンのようにホバリングしながら垂直離着陸する。本体価格は税込みで550万円。2020年10月末から販売を開始し、初年度100機の出荷を目指す。
同社はこれまで、建設現場における測量や設備点検などに向け、マルチコプター型ドローンを自社開発してきたが1-3)、今回、より長距離をカバーできるVTOL機をラインアップに加えた。現在、人工衛星や小型有人固定翼機、ヘリコプターなどで行っている広域のリモートセンシングの用途を狙う。
広大な土地の測量や、長距離の送電線点検などを行う場合、マルチコプター型のドローンでは1回の飛行時間が短いため撮影に時間を要していた。例えば、全長2kmで広さ100haにも及ぶ鬼怒川の河川敷を測量する場合、従来は30回も飛行させなければならず撮影に3日かかっていた。VTOL機であれば20分間、1回飛行させるだけで完了する。このため、高頻度での点検などもしやすくなる。