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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 清掃や警備などを担うロボットが、商業施設やオフィスで広がり始めている1-2)。こうした自律移動ロボットの普及に欠かせないのが、エレベータとの連携機能だ。ロボットが自動でエレベータに乗り降りできるようになれば、ビルの清掃などで人手を介さずに複数フロアにサービスを展開できる。

 ニーズがあるにも関わらず、エレベータをロボットと連携させ、自動搭乗できるような運用をしている事例はあまり多くない。実はロボットとエレベータの連携では現時点では標準的な方式がない。このため、いざ両者を連携させようとすると、それぞれの仕様を確認した上でエレベータ制御装置を改造する必要があり、費用が高額になるケースが多かった。導入する施設側の負担が大きく、なかなか普及が進まなかったのである3-4)

 こうした状況を打開しようと、ロボットとエレベータ間の連携方式を統一したり、標準化しようとする動きが出てきた。いち早く動いたのが、東急不動産ホールディングスグループで不動産管理を手掛ける東急コミュニティーだ。