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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 再開発が進む東京・丸の内エリア─。その再開発の進展で、同エリアでは管理しなければならない建物の延床面積は、増加の一途をたどっている。三菱地所によれば、1997年には542万m2(うち三菱地所の管理対象は174万m2)だった管理対象の延床面積が、2017年には800万m2(同273万m2)と1.48倍(同1.57倍)に増加している。

 しかも、この先も東京・丸の内エリアは再開発が計画されており、「東京駅常盤橋プロジェクト」では高さ390mと丸の内ビルディングの倍以上の高さのビルの建築も予定されている(図1)。このプロジェクトだけでも、2021年には14万m2、2027年には49万m2と合計63万m2が増える見通し。さらに、「これ以外にもプロジェクトが存在する」(同社DX推進部統括の渋谷一太郎氏)という。

図1 東京駅前常盤橋プロジェクトの全体開業時の街区全体イメージパース
図1 東京駅前常盤橋プロジェクトの全体開業時の街区全体イメージパース
東京駅丸の内側から見たイメージ。(写真:三菱地所)
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 一方、日本の人口は減少を続けており、体力的にきつい警備業務は人が集まりにくくなっている。それでも、2013年まではビルメンテナンス業界は値上げ傾向にあり、人件費を積み増すことで人手を手当てすることが可能だった。だが2014年以降は、延床面積の増加も相まって人手不足がより深刻化。金額の問題だけではなくなってきている。

 人手に頼る管理でいいのか─。そんな問題意識から、ビルの警備業務にロボットを活用し始めたのが三菱地所である。