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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 「これなら、作業員をたくさん集めなくても済むのでは」。三井住友建設は、ロボットで建築部材の鉄筋を組み立てる「鉄筋自動組み立てシステム『ロボタラス』」を開発した(図1)。

 九州新幹線工事用の軌道スラブ(床版)の生産に適用。作業者1人当たりの生産性を約1.5倍にする実績を得られ、さらに向上させる見通しが立ったという。

 軌道スラブはレールの下に敷くコンクリートの板(図2)で、長さが5mほど。高架橋などの道床の上に、マクラギの代わりにこの板を敷いて、その上に線路を固定する。軌道スラブと道床の間には、弾性のあるセメントアスファルトモルタルによるてん充層を設けて、車輪からの衝撃を受ける仕組み。マクラギと砂利による線路に比べて、保線作業が容易になるとして普及が進んでおり、特に整備新幹線では9割以上の区間がこの方式である1)

図1 鉄筋自動組み立てシステム「ロボタラス」
図1 鉄筋自動組み立てシステム「ロボタラス」
鉄道の高架橋などに使うスラブ(床版)の鉄筋を組み立てる。(写真:三井住友建設)
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 三井住友建設は、九州新幹線工事で軌道スラブを約1万2000枚製作した。この軌道スラブを対象として、ロボット応用の有効性を実証する目的でロボタラスを開発。製品生産の一部を実際に担った。