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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 畑の作物を刈り取る作業は、腰をかがめた姿勢になるため、作業者にとっては身体への負担が大きい。

  その作業を代替する自動野菜収穫ロボットを開発するのがinaho(本社神奈川県鎌倉市)だ。2019年10月に、九州などのアスパラガス農家が導入を始めた(図1)。

 ユーザーの農家からは「時間に余裕ができ、都市に販路開拓に出かけられた」といった声が寄せられた。

  アスパラガス農家が収穫作業に充てる時間は、全作業時間の約7割にも及ぶ。身体の負担が大きいのに加えて、収穫は毎日の作業になる。アスパラガスは1日に5~10cmも伸びるため、収穫を休めばタイミングを逃してしまうからだ。朝夕2回収穫する農家もあるという。

図1 自動野菜収穫ロボットによるアスパラガスの収穫
図1 自動野菜収穫ロボットによるアスパラガスの収穫
距離画像センサとRGBカメラ(車体右端)で認識し、アームで収穫する。(写真:inaho)
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