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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 オフィス向けEC(電子商取引)大手のアスクルがロボットの導入を加速させている。ピンキングロボットや搬送ロボットなど多様な装置を組み合わせ、人手不足が続く物流分野にあっても業務効率を向上させている。

 同社はEC事業の拡大を受けて毎年、売上高が右肩上がりで増えている。直近では、コロナ禍の影響でマスクや消毒液といった感染対策品の需要が増加。2020年9月に発表した四半期決算では売上高が1000億円を超え、過去最高となった。

 こうした業績の伸びを下支えすべく、同社は5年ほど前から地道にロボットの導入を進めてきている。2016年3月には埼玉県の「ASKUL Logi PARK首都圏」にピッキング用のロボットを試験導入1)、注1)。その後、2017年1月には神奈川県の「ASKUL Logi PARK 横浜」(ALP横浜)で、ついに実ラインで1台を本格稼働させた(表1)。そして2019年10月には、大阪に新設した「ASKUL Value Center 関西」(AVC関西)にピッキング用ロボットを2台導入した。このAVC関西では、これまで用いてきたピッキング用ロボットだけでなく、パレットを搬送するロボットや、棚ごと持ち上げて搬送するロボットなど計120台以上ものロボットを導入しており、アスクルにおけるロボット活用はいよいよ本格化してきた形だ(図1、図2)。

図1 アスクルが関西の拠点でロボットをフル活用
図1 アスクルが関西の拠点でロボットをフル活用
同社は大阪の物流拠点「ASKUL Value Center 関西」に120台以上のロボットを導入し、自動化を進めている。商品の入荷エリアでは搬送ロボットがパレットを移動、ピッキングエリアではロボットアームが吸引ハンドで商品を取り扱う。(写真左上と右下:アスクル、写真右上:MUJIN、写真左下:ギークプラス)
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