外食大手コロワイド傘下で、焼き肉チェーン「牛角」などを運営するレインズインターナショナルが配膳ロボットを導入した。オーダー式の食べ放題メニューを提供する「牛角ビュッフェ」や「しゃぶしゃぶ温野菜」など3つの飲食店、合計7店舗でロボットを配膳に活用している(図1)。導入したロボットは、ソフトバンクロボティクスグループの「Servi」だ1-2)。
一般に食べ放題店では客が頻繁に追加の注文をするため、必然的に一卓あたりの配膳回数が多くなる。厨房と客席の間を頻繁に行き来するスタッフの負担を軽減するべく、ロボットを導入した。配膳をロボットが担うことで、スタッフは他の接客サービス、例えば、焼き肉用の網を交換したり、食べ方を説明したりなどに専念できる。
配膳ロボットの事例では、料理の運搬のみロボットにやらせ、客への料理の提供はスタッフが行うケースもあるが、同社の場合は、料理は客が自分で取るスタイルを採用した。現時点では同社直営店での導入だが、今後はフランチャイズ加盟店にもServiの利用を呼びかけていく。
自社店舗で幅広くテスト
同社は人手不足の問題に対処するため、かねて配膳などの自動化を検討してきた。「料理を運ぶ作業は必ずしも人でなくても良い」(レインズインターナショナル 牛角事業推進部 次長の岡田彰弘氏)との考えからだ。そんな中、2020年10月ごろ、飲食店向けのサービスなどを手掛けるUSENからServiの紹介を受け、検討を始めた注1)。そして同年11月には、東京・世田谷の「牛角ビュッフェ 馬事公苑店」でServiを数日間テスト。同社の業務で十分使えそうとの感触を得た。