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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 化粧品や健康食品などを手掛けるファンケルが、ピッキングロボットなどを活用し、出荷作業を効率化した。このほど大阪府門真市に新設した物流拠点「関西物流センター」に、商品をピース単位でピッキングするロボットや、ケース品を荷下ろしするデパレタイズロボットを導入(図1)。ロボットや大規模な物流装置に約40億円を投じ、出荷業務の大半を自動化した。

図1 ファンケルが関西の物流拠点にピッキングロボなどを導入
図1 ファンケルが関西の物流拠点にピッキングロボなどを導入
化粧品や健康食品を手掛けるファンケルは、大阪府門真市に物流拠点「関西物流センター」を新設し、2021年6月から稼働させた。同センターでは、ロボットが商品をピース単位でピッキングしたり、商品の入ったコンテナを荷下ろししたりする。このほかに各種の自動化装置なども活用し、入荷から出荷までの一連の業務を自動化した。(右上下の写真:ファンケル)
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 同社は全国の直営店やドラッグストアなどで商品を販売するほか、ECなどの通信販売も手掛ける。従来、これらへの出荷は全て千葉県にある「関東物流センター」1拠点のみでまかなっていた。しかし、通販の需要が拡大していることから、今回、関西にも拠点を構え、出荷能力を増強した。

 関西物流センターでは、化粧品やサプリメントなどの売れ筋商品を扱っている。これを西日本エリアの顧客と直営店に出荷している。ロボットの導入などにより、関東の拠点での作業と比べて大幅に省人化できた。ファンケル全体では通販向けの1日当たりの出荷可能件数が約1.4倍に向上した。年間の配送費も約2.3億円削減できる見込みである。