鉄道駅の構内などに店舗を構える駅そば店で、“そばゆでロボット”が稼働し始めた。導入したのは、JR東日本グループで、駅構内の飲食店などを手掛けるJR東日本クロスステーションのフーズカンパニー(以下、JR-Crossと記述)だ注1)。そばを自動でゆでる調理ロボットを活用し、人手不足解消に成果を上げている。
千葉の海浜幕張駅にある駅そば店「そばいちペリエ海浜幕張店」の厨房では、協働ロボット2台が1時間に150食ものそばをゆで上げる(図1、表1)。同店では従来、そばゆでの専任者を置いていたが、これをロボットで完全に自動化し、人員を削減した。
同社フーズカンパニーは現在、そばいち以外のブランドも含め駅そばを136店舗展開している。
海浜幕張店を皮切りに導入店舗を拡大し、2025年までに30店舗への導入を計画する。ロボットの導入を前提とした店舗を新規に設計したり、既存店舗の改装なども行っていくという。
飲食店における人手不足は深刻だ。これまではその対処として、配膳ロボットなどの活用が進められてきた1)。しかし、駅そばの場合、基本的にはセルフサービスで料理の受け取りや食器の返却などは客が自ら行う。このため、店員の業務負担は接客面よりもむしろ厨房内の調理などにある(図2)。そこで、同社は早くから店舗で使える調理ロボットに着目していた。