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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 飲食店での配膳ロボットの利用が広がる中、いよいよファミリーレストラン大手での大規模な導入が始まった。

 ファミレス最大手のすかいらーくホールディングス(HD)は、主力ブランドの「ガスト」としゃぶしゃぶの食べ放題店「しゃぶ葉」の全店で配膳ロボットの導入を決めた(図1)。2022年4月までにガスト約700店、しゃぶ葉274店にまずは導入。その後、2022年末までに中華料理の「バーミヤン」などを含め合計約2000店舗に配備する計画だ。

 同社はグループ全体で約3000店舗を運営しており、このうちの6割以上の店舗でロボットが活用される見通しである。

図1 ガストなど全国約2000店舗に配膳ロボット導入
図1 ガストなど全国約2000店舗に配膳ロボット導入
ガストなどのファミリーレストランを全国に展開するすかいらーくホールディングスは、配膳ロボットの大規模導入に動き出した。ロボットが一度に複数のテーブルを回って料理を運ぶことで、スタッフの負担軽減を狙う。
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 配膳ロボットの活用でスタッフの負担を軽減し、会計や案内など他の業務に人手を割けるようにする。ガストの場合、早朝などはフロアを担当するスタッフは少数のため、配膳が集中すると会計の対応や席への案内などが滞り、客を待たせることもあった。また、しゃぶ葉では客が取りに来る副菜などの補充に手が回らないこともあった。配膳を効率化することでこれらに対処し、顧客満足度向上にもつなげる。