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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 ホテルでアメニティ用品を運んだりオフィスビルでコーヒーを運ぶなど、屋内向けの配送で活用されているロボットが、病院内の医薬品搬送でも使われ始めた。東京・信濃町の慶応義塾大学病院は、米Savioke社製の配送ロボット「Relay」を導入し、入院患者のいる病棟などへの薬の搬送を効率化した(図1)。患者に投与する注射薬や薬を、ナースステーションなどにロボットが届ける。

図1 慶大病院でロボットが薬剤を搬送
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図1 慶大病院でロボットが薬剤を搬送
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図1 慶大病院でロボットが薬剤を搬送
病院の薬剤部には、病棟などから薬剤の調合依頼が来る。夜間は搬送するスタッフが少ないため、ロボットが搬送する。米Savioke社製の配送ロボット「Relay」を用いた。

 同病院は都内でも有数の大規模病院である。コロナ禍で患者数は減っているものの、1日に平均約2700人の外来患者が診療に訪れ、入院患者は約700人もいる。こうした多くの患者に対応するため、搬送担当のスタッフは日夜、広い病院内を駆け回り、薬剤や血液検体、医療資材などを各所に運んでいる。今回、ロボットで薬剤の一部を搬送するようにしたことで搬送スタッフの負担を軽減した注1)