食品スーパーに並ぶ色とりどりの総菜。日本全体の人口が減少している中でも、高齢化や核家族化などの影響により、実はこの総菜の市場は成長を続けており、コロナ禍前までは10年連続でプラス成長を遂げている注1)。
食品産業の中でも注目の存在である総菜(中食)だが、実はその生産には多くの人手が掛かっている。市場が拡大しているとはいえ、生産面での自動化が遅れており、昨今の人手不足を踏まえると、現場では深刻な課題となりつつある。
この課題にスーパー大手が切り込んだ。イオン子会社で東海地区を中心にスーパーマーケットを運営するマックスバリュ東海だ。静岡県にある自社工場「デリカ長泉工場」に、総菜の盛り付け作業を自動で行うロボットシステムを4台導入し、生産を効率化した(図1、図2)。売れ筋のポテトサラダをロボットが黙々と容器に盛り付ける。食品業界において、盛り付け作業をロボットで自動化する試みはまだ珍しく、先進的な事例といえる。