本格的なスパゲティがわずか45秒の間に次々と出来上がる。そんな驚きのロボットシステムが東京・丸の内の店で稼働を始めた。
カフェチェーンの「PRONTO」などを運営するプロントコーポレーションが、調理ロボットベンチャーのTechMagicと共同で開発した「P-Robo」だ(図1)。
麺をゆで、具やソースと絡めるところから、使い終わったフライパンの洗浄まで一気通貫でロボットシステムが全自動でこなす。人間は出来上がったスパゲティを皿に盛り付け、バジルなどのトッピングを載せる作業のみすればよい。45秒おきに次々とスパゲティが出来上がるため、1時間あたりのスループットは最大90食分にも上るというモンスター級のマシンだ。都心の飲食店に設置されたコンパクトな機械でありながら、まるで工場に設営されたFA機械のように高速に作業をこなす。
注文するとすぐに料理が出てくるものといえばファストフードだろう。調理済み食材をうまく活用することで、注文してからわずか数分で料理が出てくる。ハンバーガーやうどん、そば、牛丼、カレーなどが一般的だ。
今回のプロントの店舗は、ロボット技術を活用することで、こうしたファストフード店並みの時間でスパゲティを提供することを実現した。システム内で用いられているロボットアームはいずれも独自開発品というこだわりようで、調理用に最適化されている。機械が調理のほぼ全工程を担うため、味など品質のバラつきも発生しにくくなるほか、厨房の運営が少人数で可能となり、人手不足の問題にも対処できる。
今回の記事では、この独自開発品の塊のようなロボットシステムを大解剖していこう。