東京・池袋にある大型複合施設「サンシャインシティ」で2022年6月、セコム製の新型警備ロボット「cocobo」が稼働し始めた。人を認識する機能を備え、異常があると警備員に自動的に通知する機能を持つなど、既存の警備ロボットと比べて先進的なAI機能を備えているのが特徴だ。同施設の警備を請け負うアール・エス・シー(RSC)が自らの警備業務を効率化すべく1台導入した(図1)。
サンシャインシティには、水族館やプラネタリウムなどのレジャー施設があり、コロナ禍前は年間約3000万人が訪れていた。多くの人が訪れる広大な施設内を見回るため、同社は従来、多くの警備員を配置してきた注1)。ただ、最近は警備員の確保が難しくなってきていることもあり、ロボットに目を付けた。施設の運営会社であるサンシャインシティも、ロボットの活用により将来的に警備の委託費用を削減できることを見込み、この取り組みに協力している。
同施設にはオフィスビルもあるが、大半が商業エリアとなっており、一般客が多く集まる。このため、日中の営業時間中は、迷子や落とし物、万引きといったトラブルが発生しやすい。特に、迷子の対応は2019年度の場合、約350件もあり、親子連れが多い夏休みシーズンには特に多く発生する。落とし物への対応は、同年度で約2万4000件にも上るほどだ。