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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 2021年5月、米国東部で消費される燃料の約半分を供給している米Colonial Pipeline社がハッカー集団ダークサイドからランサムウエア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃を受け、操業を停止した。

 この事件が報じられた当初は備蓄も十分なため、操業停止が長引けばゆっくりと米消費者や経済に影響が出てくるかもしれないというくらいの予測であった。しかしながら、報道によるパニック買いもあったのか、1週間も経たないうちにガソリンの品薄が目立ち始め、テキサス州からジョージア州を経てニュージャージー州に至るこのパイプライン沿線では、約半月の間、ガソリンの不足および価格高騰の影響が出た。

 筆者の住む地域のスタンドは軒並み閉鎖になり(報道によれば供給量が約2割にまで低下)、通常1ガロン(約3.79L)あたり2.5米ドルのガソリン価格が3米ドル近くまで上昇、身代金支払いによる事件の収束までしばらく影響が続いた。