“Fake it till you make it”(できるまで、できたふりをしろ)というのはシリコンバレーの起業家のメンタリティを表すときによく使われる言葉である。イノベーションを起こす可能性のある技術が実際に完成するかどうかはやってみるまでわからない。一方、投資家としては、実現可能性も投資の可否を決める重要な判断材料である。スタートアップ企業がベンチャーキャピタルから投資を引き出すためには、実現可能性が未知の夢を語ることもある程度は必要だろう。
シリコンバレーに限らず米国のスタートアップ文化の良いところは、スタートアップの夢が破れて投資家が大損をしたとしても、やむを得ないこととして許されることである。夢を語った起業家が罰せられることはまれで、その後何度でも再起のチャンスが与えられる。