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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 コロナ禍で全米各地で在宅命令が出された2020年3月末、ロボット関係者による「The Ventilator Project(人工呼吸器プロジェクト)」がボストンでスタートした。

 人工呼吸器不足を解決するために、安価で大量生産可能な良質の機器を提供することを目指している。プロジェクトを率いたTyler Mantel氏に聞いた(図1)。

図1 Tyler Mantel(タイラー・マンテル)氏
図1 Tyler Mantel(タイラー・マンテル)氏
The Ventilator Projectの会長およびエグゼクティブ・リーダーシップ。創業したスタートアップの米Watertower Robotics社では、水道管の監視をするロボットを開発する。2013年に米Purdue Universityで機械工学と化学工学の学位を取得した後、米Schlumberger社でオフショア油田のフィールド・エンジニアを務める。スタートアップ創業前は、米Environmental Solutions Group社でプロダクト・マネージャーを務めていた。
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人工呼吸器プロジェクトを始めた理由は何か。

Mantel氏 新型コロナウイルスの感染者数が急上昇している頃、何か手助けができないかと考え、ロボット開発者としては電子工学がベースにある人工呼吸器に挑むことが論理的だと思った。ロボット関係者何人かに声をかけ、彼らがさらに知り合いを誘って自然にチームができた。最初の1週間で15人ほどのチームになったが、今では250人だ。