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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 オープンソースのROSに基づいたソフトウエア開発を行うPickNik社は、数々のロボット会社にサービスを提供する。その業界は製造から農業、ロジスティクス、医療までと幅広い。同社CEOのDave Coleman氏に聞いた(図1)。

ロボット会社に対してソフトウエア面での開発を支援するというビジネスモデルだ。顧客企業からは、どんな状況で依頼が来るのか。

Coleman氏 当社は、特にロボットアームの動作計画で強みを持っている。マニピュレーションや把持は技術的に難しく、自社で開発しようとすると博士号を持つ人材を何人も雇って何年もかけるような研究開発費が必要となる。そこでオープンソースのROSを利用しようとすることも多いが、優れたチュートリアルはあるものの利用方法については専門家の助けが必要となる。

図1 Dave Coleman(デイブ・コールマン)氏
図1 Dave Coleman(デイブ・コールマン)氏
米University of Colorado at Boulderでコンピュータ科学の修士号、博士号を取得。在学中から米Willow Garage社、米Open Source Robotics Foundation、米グーグルなどでインターンや研究アシスタントを務めてきた。2015年にPickNik社をコロラド・ボールダーに設立。ヒューマノイドロボット研究で知られる東京大学のJSKで研究に携わった経歴も持つ。
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 PickNik社はROSのMoveItに大きく貢献してきたこともあり、企業がコンタクトを取ってくる(図2)。企業が書いたソフトをMoveItに置き換えたり、すでに使っているMoveItをより強靭なものに書き換えたりする。ある大手ロボット企業は、ROSに完全に移行することを計画中で、そのため我々が実験的な研究チームとして関わって評価を行うといったこともやっている。