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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 2021年4月21日から23日までソウルCOEX展示場で開催された韓国最大規模のICT展示会「2021 WORLD IT SHOW」。ここで移動体通信事業者シェア1位のSK Telecom社は独自設計したデータセンター向けAIチップ「SAPEON(サピオン)X220」を展示した(図1)。

図1 AIチップ「SAPEON X220」の外観
図1 AIチップ「SAPEON X220」の外観
価格はGPUの半分程度、電力はGPUの80%程度だという。(写真:SK Telecom社)
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 X220はSK Telecom社が設計、台湾のTSMCが生産するAI推論に特化したNPU(neural processing unit)である。データセンターからMEC(Mobile Edge Computing)のような用途まで幅広く使える。1秒当たり6700枚の画像を処理(6.7KFPS)、全ての回路が作動する際の電力は60W、その他の仕様は公開していない。2017年から開発しており、2020年11月の韓国政府のイベントで一度公開したことがある。