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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 調理ロボットセルを開発するカナダのYPC Technologies社は、昨年トヨタ自動車系のToyota AI Venturesを含めた複数の投資会社からシード投資を受けた(図1)。数々の調理ロボットが登場する中で強みは何か。CEOのGunnar Grass氏に聞いた(図2)。

調理ロボットを開発しようとしたきっかけは何か。

Grass氏 もともと食べ物が好きで、レストランを始めようといくつかの店で働いた。そのとき、安定した質の料理を提供するために、多機能調理器などかなり高度なテクノロジーが利用されているのに驚いた。最初は自分の趣味だったが、調べてみると協働ロボット、コンピュータビジョン、多様なセンサ、AIによって調理ロボットが有望な市場として期待されていることがわかった。レストランでは繰り返し作業が多く、自動化は大きなコスト低減を可能にする。

図1 調理ロボットシステムの外観
図1 調理ロボットシステムの外観
ロボットアーム、食材や調味料を置いた棚、治具などから成る。(写真:YPC Technologies社)
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図2 Gunnar Grass(グナー・グラス)氏
図2 Gunnar Grass(グナー・グラス)氏
2016年にYPC Technologies社を共同創設する以前は、カナダHEC Montréalで准教授、助教授として教壇に立っていた。それ以前はドイツDeutche Telekom社、ドイツDeutche Börse社などでコンサルタントを務める。ドイツEBS Universität für Wirtschaft und Rechtで金融学の博士号を取得、米University of Pennsylvania The Wharton Schoolでポスドクとして研究に携わった。(写真:YPC Technologies社)
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