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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
著者の岡野原大輔氏
著者の岡野原大輔氏

 多くの科学領域でシミュレーションが使われるようになっている。例えば、素粒子物理、分子動力学、流体力学、疫学、経済学、気象モデル、生態学、機械工学などである。

 これらの分野で使われるシミュレーションは、対象問題を忠実に再現できるようになっているが、推論、つまり観測からその現象を記述するパラメータや、観測できない潜在パラメータを推定する逆問題に適用することが難しい場合がある。

  しかし、近年登場したニューラルネットワークによる代理関数、確率的プログラミングフレームワークと自動微分フレームワークによって状況は大きく変わり、これまで推論が難しかった場合でもできるようになってきている1)。本稿ではそもそも推論とはどのようなタスクか、なぜ難しかったか、どのようにこれらが解決できるかについて解説する。