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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 有限要素法は2次元または3次元空間中の微分方程式の近似解を求める代表的な手法であり構造力学、流体、熱伝導、電磁場解析など広く使われている。例えば、領域$\Omega \subset \mathbb{R}^d$上で定義される時刻$t$、位置$\mathbf{x}$を入力とする関数$u(t,\mathbf{x})$が偏微分方程式$\partial_t u = F(t, \mathbf{x}, u, \partial_{\mathbf{x}}u,\partial^2_{\mathbf{x}}u, \ldots)$を満たす際の解を求めることができる。

著者の岡野原大輔氏
著者の岡野原大輔氏

 Technical University of Munich教授のStephan Günnemann氏のグループが提案したFinite Element Network(FEN)1)は有限要素法の考えをグラフニューラルネットワーク(NN)に導入して、少数の観測データから、未知のダイナミクス(上記の$F$)を推定し、将来の値を予測する。高い予測性能を達成しつつ、人間にも解釈可能な結果を与え、既存の知識(例えばダイナミクスは対流項を含む等)を導入することができる。今回はこのFENについて紹介する。