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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 2023年2月1日、Preferred Robotics(以下 PFRobotics)よりスマートファニチャープラットフォーム「カチャカ(Kachaka)」が発表され先行予約が開始された。

 カチャカは専用の家具とドッキングし、好きなところに家具を運んでくれるロボットである(図1図2)。そして、このカチャカとドッキング可能な専用家具をあわせて「スマートファニチャー」と名付けている。

著者の岡野原大輔氏
著者の岡野原大輔氏

 従来の家具は一度設置したら動かないものであったが、スマートファニチャーは人の指示やプランに従って自由自在に動く家具であり、これまでにない新しい生活を実現することを目指している。

 カチャカについては今号(pp.3-9)でも記事があるのでそちらも参考にされたい。


図1 カチャカは家具を運ぶロボット
図1 カチャカは家具を運ぶロボット
(写真:Preferred Robotics)
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 PFRoboticsは筆者が所属するPreferred Networks(以下、PFN)から2021年11月にスピンオフしたロボット開発ベンチャーである。PFRoboticsはアマノ、旭化成ホームズ、三井住友銀行から資金を調達し、2022年10月にはアマノと共同で業務用の自律移動する小型床洗浄ロボット「HAPiiBOT」を開発し、販売している。代表取締役CEOの礒部達はロボット工学を学び、三菱重工業、トヨタ自動車でロボット開発を手かげた後、2019年にPFNに入社している。

 本記事では家庭向けロボットを作るに当たってどのような課題があるか、カチャカがどのような課題を克服しようとしているかを説明していきたい。