複合機事業などを手掛けるリコーが、ロボット向けディープラーニング技術の領域で先進的な成果を出した。
ディープラーニング領域では現在、ロボットに人間の動作を真似させて、覚えさせる「摸倣学習(imitation learning)」という技術の開発が活発になっている。現在の産業用ロボットのような複雑なプログラミングやティーチング作業などをすることなく、人間が示したお手本の動作通りに、ロボットを動作させようという技術である。
リコーは今回、ディープラーニング領域で流行している「GAN(generative adversarial network)」という新技術を摸倣学習にうまく応用することでロボットの模倣の性能を大幅に向上。既存手法と比べて、人の動作をより効率的に真似られるようにした。
ロボット事業に参入へ
リコーは複合機メーカーだが、現在、自社でロボット事業に参入することを検討している。従来型の産業用ロボットではなく、本誌が前号で解説したような移動機構(AGV)とアームを組み合わせた「ハイブリッド型」1)と呼べるタイプのロボットである(図1)。