精密減速機を手掛ける日本電産シンポが、ロボットの中核部品となる減速機で、今までにない革新的な製品の設計を進めている。
わずかな外力で出力軸を自由に回転させられる、いわゆるバックドライバビリティ(逆駆動能力)が高い減速機だ(図1)。米University of California Berkeley(UCB)の新ロボット「Blue」に関する今号の記事で解説したように、ロボットの関節を脱力したブラブラした状態にし、外力を受け流すことに向いた減速機である。
UCBのBlueがそうしているように、減速比を1:10未満に低く抑えれば、こうした高いバックドライバビリティ自体は従来から実現できている。しかし、ロボットアームでよく用いるような1:100もの高減速比の領域では、高いバックドライバビリティの実現は非常に難しかった(図3)。